2016年10月10日月曜日

構成音からコード名を判定するツール

構成音からコード名を判定するツール「Chord Finder」を開発しました。


次のような要望を解決します。

  • ラレソ」のコード名が知りたい
  • ドレソ」のコード名がわからない
  • 構成音からコード名を検索したい
  • コード名を逆引きしたい

自分でも耳コピしていてコード名に自信がない時にWebで検索して調べるのですが、既存の逆引きツールはオンコード(分数コード)に対応していなかったり、類似や近似のコードが示され、自分が調べるレベルに対応しているものはみつかりませんでした。

ちょうど身の回りでこういったツールを必要としている方がいたため、開発をしてみました。

自分が普段コード名を付与するときのパターンをアルゴリズムに落とし込んでみました。


開発目標

目指しているのは次のような構成音をコード名に判定できるものです。

分数コード


サンダーバードのオープニングの和音(耳コピ)


たまに耳コピやコード譜化作業で見かける難解コードや不明コード

開発方針

理論を前提にした理想主義と、伝わりやすさや使いやすさを重視した現実主義のバランスをとりたいと考えています。

sus2について

このツールではsus2を使用しています。
対応している出版社が出てきたりして普及が始まっているようですが、イデオロギーの論争があるようです。

私は、ドレソを伝えるときは、Cadd9やGsus4/CよりCsus2の方がより直接的に伝わると考えているため、普及すると楽になるなと考えていますが、反対派が多いようでしたらオフにするオプションをつけてもよいかなと考えています。

Cadd9はドレミソかドレソか意味があいまいになっているので、Csus2の普及によって、ドレミソの意味に統一した方がよいと考えています。

omitについて

omit3やomit5のような、その音を除外するomitコードは、通常あまり見かけませんが、次の理由で採用しています。

  1. 響きを大事にする場面では重要な場合がある。特に長短をきめる3度を抜くとき
  2. 歪み系のパワーコードを明示的に表現したいとき
  3. 判定ツールの結果網羅性
自分で作曲した曲に1箇所程度ある場合は、編曲者にこの響きにこだわりがあるのだなと、伝わる良いスパイスになるかと思いますし、パワーコードを意識た曲を伝えたいときにも有効だと思いますが、採譜する側は用途に合わせて抑制的でないと、演奏者を混乱させてしまうデメリットがあると考えています。

特にセッションでは基礎的なコードで提示し、初見で演奏できたり、演奏者の自由を尊重するようなコード譜にすることがよいと思います。


どんな音の組み合わせでもコード名を表示

ちょっと無理やりだったりしますが、どんな音の組み合わせでもコード名を表示できます。


ピアノの全種類の白鍵を押したコード名
C D E F G A B

ピアノの全種類の黒鍵を押したコード名
C# D# F# G# A#

ピアノの全種類の鍵盤を押したコード名
C D E F G A B C# D# F# G# A#



2015年2月4日水曜日

なぜ極寒なのに立春?

「立春過ぎても真冬の寒さ」、「立春なのに雪、名ばかりの春」など、通俗概念とのズレを皮肉られることが多い"立春"の概念だが、情報を整頓してみた。

立春とは?

立春は科学的な概念で、太陽に対する地球の公転位置(※1)が春分と冬至の真ん中の位置に来た日時である。ほとんどが2月4日。
立春は、二十四節気(にじゅうしせっき)という一年を24等分(※1)して表す暦における、位置名であり、それが元になって、次の位置名である"雨水(うすい)"までの区間を表す意味でも使われる。

二十四節気では地球の公転位置から、春分、夏至、秋分、冬至を定め、それぞれの中点を立春、立夏、立秋、立冬と命名し、それぞれの区間を春、夏、秋、冬と命名しており、季節感とは関係がない定義になっている。

従って二十四節気の"春"は通常の春の概念に対し"ずれた"概念となる。ここでは区別のために節気春と呼ぶことにする。

立春は真冬?

日本はこの時期一年で一番平均気温が低い時期であるため、真冬といえる。
ただ、ちょうど立春の頃に峠を超えるため、これから春に向かって三寒四温であったかくなっていく折り返し地点と考えれば、違和感を少し減らせるかもしれない。

立春は旧暦だからずれている?

旧暦だからずれているというのは間違いで、立春は二十四節気の概念であるため、旧暦でも新暦でも変わらない。二十四節気は新旧2つの暦の前提となる1レイヤー上の概念。

本当の春はいつ?

"春"の概念は複数ある。主に6つに分けて命名してみた

※1. 厳密には黄道上の分割点

春の区別方法の提案

~春の6つの区別~

複数の意味が混乱している「春」の概念を区別して命名してみた。

節季春 せっきばる

立春から立夏まで 2/4ごろ~5/6ごろ
二十四節気の春 太陽の位置から算出

旧暦春 きゅうれきばる

太陰暦の1月・2月・3月 2/4ごろ~5/6ごろ
日本の旧暦の春 二十四節気と朔望月から算出

新暦春 しんれきばる

グレゴリオの3月・4月・5月 3/1~5/31
グレゴリオは春分が3/21になるよう調整
使用:気象学、日本の気象庁

天文春 てんもんばる

春分から夏至まで 3/21ごろ~6/22ごろ
太陽の位置から算出
使用:天文学、英語圏のspring

肌感春 はだかんばる

春分ぐらいから梅雨まで 3/21ごろ~6/22ごろ
日本での肌の感覚

年度春 ねんどばる

グレゴリオの4月・5月・6月 4/1~6/30
立春に近い4月を会計年度開始と置いた
使用:役所、学校、社会、英語圏のspring quater

2014/02/07 v1.0
2015/02/04 v1.1 draft

2012年10月26日金曜日

実は歴代最高角画素密度の最新13.3インチMacBook Pro Retina

最近発表があったAppleの13.3インチMacBook Pro with Retina Displayだが、計算してみたところ、実は歴代で最高の「角画素密度」だった。(表1)
Appleシリーズの中で実用上最も高精細ということになる


表1.角画素密度ランキング
rank角画素密度名前retina対応画面までの距離画素密度
179ppd13インチMacBook Pro Retinaretina20inch(約51cm)227ppi
277ppd 15インチMacBook Pro Retinaretina20inch(約51cm)220ppi
369ppdiPad2012retina15inch(約38cm)264ppi
457ppdiPhone4retina10inch(約25cm)326ppi
457ppdiPhone5retina10inch(約25cm)326ppi
-52ppdAppleのRetina基準※2-10inch(約25cm)300ppi
647ppd11インチMacBook Air20inch(約51cm)135ppi
745ppd13インチMacBook Air20inch(約51cm)128ppi
842ppdiPad mini15inch(約38cm)163ppi
940ppd13インチMacBook Pro20inch(約51cm)114ppi
1039ppd15インチMacBook Pro20inch(約51cm)110ppi
1135ppdiPad215inch(約38cm)132ppi
1228ppdiPhone 3GS10inch(約25cm)163ppi
※1.画面までの距離はAppleが発表した「通常使うときの距離」を引用
 http://www.gizmodo.jp/2012/03/_ipad3_ipad_1.html (1次ソースが見当たらない)
※2.Retina Display

ppdはpixels per degreeの意味で、1度角あたりの画素数を表す。
画素密度の単位であるppi(pixels per inch)は、1インチあたりの画素数を表すので、画面自体の絶対的な精細度を現す場合はppiを使用し、観察者からの距離も勘案した相対的な精細度を表す場合は、ppdを使用すると正しく比較評価が行える。

角画素密度とは何かについては、後日説明予定。